新しい世界を知るために。

知っている楽しみは一部。知らない楽しみは底を尽きません。

「君の膵臓を食べたい」読書。

本当に好きでした。


私は読んでいる間中ずっと、ヒロインの山内桜良(やまうちさくら)を高校の頃好きだった女の子に当てはめていました。

ヒロインの女の子は私のタイプ、どストライクでした。高校の頃の恋を否が応でも思い出してしまいます。




私のタイプというか、高校で恋したその子が今も忘れられないのかもしれませんね。

笑顔が素敵で明るくて…





数年ぶりに連絡をとるとすれば、まずはじめに何て送れば良いでしょうか。

「君の膵臓を食べたい」でしょうか。




おそらく無視されるでしょうね。笑
ブロックとか着信拒否?


小説を読む人ではありませんから。


書き出しは
「ふと、思い出しました」かな?
「話がしたくなりました」かな?

どちらもちょっと怖いですね。
ストーカーっぽい。
まぁでも「君の膵臓を食べたい」よりかは怪しまれませんね。


今は別の大切な人がいるので、どうかなりたい気持ちは一切ありませんが、本を読み終わったすぐ後ということもあって感傷的になっています。




さて、本の感想です。(ここからが本題ですよ!)

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい

偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。 それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。 そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。 病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。 【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。 全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至!

「君の膵臓を食べたい」インパクトの強い題名ですね。おそらく数年後にアニメ化か実写映画化されるでしょうね。個人的には2時間のアニメ映画化希望です。


ホラー小説でもグロテスクな物語でもありません。青春と感動の物語です。



私は他の方のレビューを見ていたので、読む前から泣く気満々でした。残念ながら泣けませんでしたけど…


それでもレビューを書いて皆さんに知ってもらいたいと思ったのは素晴らしい物語だと感じたからです。

彼女の死に対しての行動や発言もポジティブで良かった。自分が死ぬことをブラックジョークにしていましたが、小説なら許せる。
懸命に前向きに生きていると思えるからです。弱音というのはなかなか怖いものです。聞いた方はそれこそどうしようもない事実に引いてしまってもおかしくありません。
苦しくてすがりたくて仕方ないところをブラックジョークで乗り切る。気持ちはとてもよくわかります。



主人公の名前は終盤までわかりません。
誰かが主人公を呼ぶときは【地味なクラスメイト】君だとか【仲良し】君といった主人公に対するそれぞれのイメージで書かれています。

少しずつ変わるイメージは楽しかったです。最後まで読み、その意味をわかった上でもう一度読み返すと印象が変わるかもしれません。

主人公や彼女たちのそのときどきの感情がわかっているからこそ2回目は泣いてししまうかもしれません。近いうちに読みます。



感動系としてではなく、二人の会話の掛け合いがとても気に入りました。

闘病生活は描かれていません。
あくまでも彼女が共病文庫に記す日記なんです。病気をかかえ、死期を知った彼女たちの成長の物語です。

彼と彼女、そして彼らを見守る読者だけにわかる会話。関係性。


比喩表現は少なく、言葉もストレート。言葉にいくつもの意味を込めるということもないのでとても読みやすいです。
さらっと読めてしまう分、物語を深く考えたい人からすれば評価は高くないかもしれません。

死を扱う物語としてはかなり明るくサラサラとした内容でした。だからこそ会話が活きるのですが感動は減りますね。

死の恐怖はあまり出てこず、ポジティブに明るく2人の関係は進んでいきます。


クスッと笑うことも何度かあり会話を楽しんでいたら、ハッとさせられる素敵な言葉が出てきて心が揺れ動く。
苦しくも愛おしい会話がとても大切に思えてきます。

日常が大切で、かけがえのない日々だったあの頃を思い出す。



「君の膵臓をたべたい」という言葉に込められた強い憧れや想い、この本の特徴でもある主人公の名前の書き方から繋がる、名前を呼ぶことへの意味に心が揺さぶられました。
【君の膵臓をたべたい】この言葉を大切にしたいと思います。



ときどき、ふとした瞬間に思い出す君に贈りたい言葉です。書き出しはやっぱり


「君の膵臓を食べたい」



と言いたいですが、臆病な私はやっぱり「久しぶり」とか平凡なメールを送ってしまうんでしょうね。





生きているんですから、話しましょう。
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